本の概要
タイトル:一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
著者等:山崎 圭一
出版社:SBクリエイティブ
シリーズ累計100万部を突破したベストセラー。
現役公立高校教師でYoutuberの著者が書いた世界史の教科書!
学生の皆さんはもちろん社会人も分かりやすく世界史が学べる1冊です!
本書の構成は次の通りです。
ホームルーム① 世間に知られていない 教科書の“ある弊害”
ホームルーム② 世界史がデキる人だけが知っている「フレームワーク(枠組み)」がある
ホームルーム③ 世界史は、年号を使わずに学べ!
はじめに 世界史には“1つ”のストーリーがある!
ホームルーム1 「わかりにくい」という世界史の教科書の“弊害”
ホームルーム2 世界史は数珠つなぎにして学べ!
ホームルーム3 世界史は「年号」を使わずに学べ!
序章 人類の出現・文明の誕生
1章 ヨーロッパの歴史
2章 中東の歴史
3章 インドの歴史
4章 中国の歴史
5章 一体化する世界の時代
6章 革命の時代
7章 帝国主義と世界大戦の時代
8章 近代の中東・インド
9章 近代の中国
10章 現代の世界
学びと共感
経営者は歴史に学ぶと言われます。
物事の経緯や背景を知るためや、人間行動のケーススタディとして学ぶためなど理由は様々ですが、事実、多くの企業経営者の愛読書に歴史に関する書籍が挙げられています。
歴史とは、国家や指導者の盛衰の積み重ねです。
国家や軍隊=企業、指導者=経営者、国民=従業員と読み替えると、現代の企業経営にとっても参考になると考えて、本書を手に取りました。
内容としては、特定の出来事について掘り下げた書籍ではなく、世界史を概観する内容の書籍です。
特に、ローマ帝国を引き合いに「国家の規模が大きくなるほど、権力が集中するのは歴史の一つのパターン」との説明が印象深かったです。
企業においても集権化と分権化で、二つの考え方があります。
一般的には企業規模が大きくなるほど、権限を下の階層に下すことで意思決定のスピードを速くするケースが多いでしょうが、その際には権限が分散しすぎないように留意することが必要との印象を待ちました。
また、産業革命以前の戦争は宗教的な対立が引き金になるケースが多く、国の栄枯盛衰に宗教が非常に密接に関わっていたことを再認識いたしました。
産業革命後には、一気に増加した当時の先進国への原材料供給先として、また製造された商品を購入する従属国として植民地を増やすために戦争をするようになり、戦争の目的が変わっていったことを学びました。
また、いつの時代も、皇帝などの独裁者に対する不平や不満から革命が起こり、国の統治形態が変わってきたことも説明されており、再認識させられました。
現在は、ポピュリズムと言われる大衆迎合がもてはやされる時代と言われています。
しかし、民意を聞きすぎ、民意を全能のものだと捉える大衆迎合が行き過ぎても、結果として安定的に国を統治できないことは明白です。
ただその一方で、独裁的な統治が国を転覆させてきた歴史も無視できない事実です。
翻って、企業経営においても、従業員の意見に応じてすべてを判断する必要はなく、迎合する必要はないことは勿論ですが、一方で従業員の意見に耳を傾けなければ従業員の気持ちが会社から離れていくということは歴史が示唆しているとの思いを強くしました。
要は、バランス感覚が重要なのだと改めて考えさせられる一冊でした。
読みやすいので、どんどん読み進めていけます。
世界史の流れを把握するうえで、とても分かりやすくまとめられていると感じました。
お勧めの一冊です!