本の概要
タイトル:ゼミナール経営学入門 (新装版)
著者等:伊丹 敬之、加護野 忠男
出版社:日本経済新聞出版
ゼミナール経営学入門 (新装版)は、30年以上にわたり経営学の定番テキストとして支持されてきた書籍の改訂版です。発行部数が累計で30万部を突破しており、まさに経営学の定番といえそうです。
本書の構成は次の通りで、序章を含め全5部・全21章になっています。
- 序 章 企業のマネジメントとは
第I部 環境のマネジメント
- 第1章 戦略とは何か
- 第2章 競争のための差別化
- 第3章 競争優位とビジネスシステム
- 第4章 多角化と事業ポートフォリオ
- 第5章 企業構造の再編成
- 第6章 国際化の戦略
- 第7章 資本構造のマネジメント
- 第8章 雇用構造のマネジメント
第II部 組織のマネジメント
- 第9章 組織と個人、経営の働きかけ
- 第10章 組織構造
- 第11章 インセンティブシステム
- 第12章 計画とコントロール:プロセスとシステム
- 第13章 経営理念と組織文化
- 第14章 リーダーシップ
- 第15章 人の配置、育成、選抜
第III部 矛盾と発展のマネジメント
- 第16章 矛盾、学習、心理的エネルギーのダイナミックス
- 第17章 パラダイム転換のマネジメント
- 第18章 企業成長のパラドックス
- 第19章 場のマネジメント
第IV部 企業と経営者
- 第20章 企業という生き物、経営者の役割
- 第21章 コーポレートガバナンス

学びと共感
本書は、経営学の初学者から、改めて基礎を固めたい実務家まで、幅広い層にとって有益な一冊と言えます。
私が本書に興味を持ったきっかけでもありますが、以前、神戸大学経営学研究科(MBA)の課題図書になっていました。
本書は、まず「そもそも企業経営って何?」という基本からスタートし、続いて会社を取り巻く外部環境のマネジメントや、会社の中の仕組みに焦点を当てた組織のマネジメント、さらには企業が成長する上で避けて通れない矛盾や課題とどう向き合い、それを乗り越えて新しいステージに進むのかという矛盾と発展のマネジメント、最後に企業とはそもそもどんな存在なのか、そして経営者はどんな役割を果たすべきかという企業と経営者について、幅広く網羅的にまとめられています。
そのため、664ページという結構な分厚さになっていますが、特に経営学の全体像を体系的に理解したいと考える方には、とても適していると感じます。
ちなみに、私の使い方は、経営学の特定のトピックや用語について「これはどういう意味だったかな?」「この理論の概要を知りたい」といった疑問が生じた際、本書を参照して答えや手がかりを見つけるという辞書的な使い方です。
ご自身の手元に置いておけば、頼りになるリファレンスブックとしても機能すると思います。