みなさんは企画書やプレゼン資料作りで「見栄え良く作るのって難しい…」と感じていませんか?
そんな時にめちゃくちゃ役立つのが「Canva(キャンバ)」です。
今回ご紹介する「Canva」を使えば、デザインのセンスに自信がなくても、時間をかけずに、プロが作ったような見栄えの良い資料を簡単に作ることができます!
1.Canvaとは?
Canvaは、まるで「デザインのセレクトショップ」です。
まるで、企画書やプレゼン資料といった「ビジネスの服装」を、誰でも簡単におしゃれにコーディネートしてくれるセレクトショップのような存在です。
優秀な店員さん(Canva)が、あなたにピッタリのスタイルを提案してくれます。
- テンプレートが豊富
例えば、洋服屋さんで「このマネキンが着ている服、全部ください!」と思ったことはありませんか?Canvaのテンプレートは、まさにそんなマネキンのコーディネート買いの感覚です。
プロのデザイナーが考えた「絶対オシャレに見えるコーディネート(デザインの型)」が、マネキンのようにずらりと並んでいます。
プレゼン用、報告書用など、目的に合ったコーディネート(テンプレート)を選ぶだけ。あとは、自分の名前や商品情報など、中身を自分仕様に着替えるだけで、一瞬で「デキる人」風の資料が完成します。
服の組み合わせに悩む時間が必要ないのと同じで、デザインの構成に悩む時間が激減します。 - 操作が簡単
Canvaの操作に専門的な知識は不要です。
「この写真、いいな」と思ったら、指やマウスでスッと持ってきて好きな場所に置くだけ。文字の大きさや色を変えるのも、スマホアプリを触るのと同じくらい直感的です。感覚的にデコレーションするだけで、資料がどんどん見栄え良くなっていきます。 - センスの良い素材が使い放題
コーディネートが決まったら、次は小物選びです。
Canvaは、お店のバックヤードに「どんな服にも合う巨大なクローゼットと、使い放題のアクセサリーボックス」が用意されているようなものです。
資料に添える写真やイラスト、グラフのアイコンなどを、Canvaの中で全て探せます。
「ちょっとアクセントが欲しいな」という時に、ぴったりのイラストをすぐに見つけて追加できます。素材探しの手間が省け、コーディネートの幅がぐっと広がります。
2.Canva AI
CanvaにはAIによるデザイン生成機能が備わっています。
この機能により、デザインの専門知識がない人でも、まるで専属のデザイナーがいるかのように、質の高い画像やデザイン、文章などを短時間で作成できるようにサポートします。
テキストの指示(プロンプト)だけでデザインを生成したり、画像を編集したりと、これまで時間とスキルが必要だった作業をAIが代行してくれます。
Canva AIには、デザインのあらゆる場面で役立つ多彩な機能が「Magic Studio」という統合ツールの中に含まれています。以下に代表的な機能をご紹介します。
- Magic Design
テキストで作りたいデザインの概要(例:「夏のセール用インスタ投稿」)を入力するだけで、AIが複数のデザインテンプレートを自動で提案してくれます(無料・Pro)。 - Magic Write
キーワードや簡単な指示を入力するだけで、SNSの投稿文、ブログ記事、広告コピー、プレゼンテーションの原稿などを自動で生成します。
文章の要約や翻訳、テイストの変更も可能です(無料・Pro)。 - Text to Image
「夕暮れのビーチを歩く猫」といったように、作りたい画像のイメージをテキストで入力すると、AIが独自の画像を生成します(無料・Pro)。 - マジック消しゴム
写真に写り込んでしまった不要な人や物を、なぞるだけでAIが自然に消去してくれます(Pro)。 - マジック編集
写真の一部を選択し、「花束に変えて」のように指示を出すと、AIがその部分だけを違和感なく編集してくれます(Pro) - 背景除去
ワンクリックで写真や画像の背景をきれいに切り抜くことができます。商品画像やプロフィール写真の作成に便利です(Pro)。 - マジックリサイズ
作成したデザインを、Instagramの投稿用、ストーリー用、チラシ用など、異なるサイズのフォーマットにワンクリックで最適化してくれます(Pro)。
3.利用料金
Canvaの多くの機能は無料プランでも利用できますが、いくつかの高度な機能や、生成回数の制限なしで利用したい場合は、有料プラン「Canva Pro」への登録が必要です。
- 無料プラン(Canva Free)
Magic DesignやMagic Write、Text to Imageなどの主要なAI機能を回数制限付きで利用できます。まずは試してみたいという方におすすめです。 - 有料プラン(Canva Pro)
月額または年額の料金で、AI機能の利用回数制限が大幅に緩和(または無制限に)されます。
マジック消しゴム、背景除去、マジックリサイズといった、より高度で便利な機能がすべて利用可能になります。
これらAI機能を活用することで、どのようなデザインにすれば良いか分からない時でも、AIが複数の選択肢を提示してくれるため、新たなインスピレーションを得ることができます。
また、Canva内でデザインの作成からテキストの生成、画像の編集までを行うことができるため、複数のツールを使い分ける必要がなく、ワンストップでデザイン制作が完結します。
4.商用利用
素材やテンプレートも豊富に揃っており、ビジネスでの利用や本格的なコンテンツ制作に適しているCanvaですが、条件付きで商用利用可能になっています。
ただし、Canvaの規約ではオリジナルデザインの作成が求められています。オリジナルデザインとは、デザイン素材(画像、動画、オーディオファイル、その他のメディア、テキスト、イラスト、背景機能など)と編集テクニックを組み合わせたCanva Contentを使用して、「新しい」クリエイティブ作品を作成することを意味しています。つまり、Canvaのテンプレートの色を変更しただけであったり、サイズを変更しただけでは商用利用は不可となります。単純な切り抜きや最小限の装飾に留まっている場合も同様です。
なお、規約でも明確な基準は示されていないので解釈の余地を生みそうですが、詳細に関しては規約をご確認いただければと思います。
5.私の使い方
Canvaは無料でも十分に役立つツールです。まずは無料版で試してから、有料版への切り替えを検討されると良いでしょう。
私は、業務上作成する資料にもCanvaを活用していますし、このブログのアイキャッチ画像もCanvaで作成しています。
ただ、現時点でMagic Design(AI)のデザイン力を活かすには、かなりのコツが必要です。
私のプロンプトの質が低いのでしょうが、まだまだ求めるデザインを生成するのは難しいと感じざるを得ません。この点は、これからの機能進化に期待したいと思います。
<Magic Design(AI)で実際に作成してみたデザイン>
プロンプト:新しい株式指数

プロンプト:
TOPIXを金づちでたたいているイラスト

プロンプト:
二つの物事を切り分けるイメージ図を作成してください。例えば、事実と意見の切り分けや、問題と課題の切り分けを説明するときに視覚的にイメージできるようなデザインにしてください。

なかなか思うようにいきません。
う~ん、難しい・・・(苦笑)
6.デザインに対する従来の考え方を一変させる
Canvaは、コストが掛かる、時間が掛かる、必ずしも仕上がりに満足できないという従来のデザインに対する考え方を一変させるインパクトを持っています。
- デザインの民主化
専門デザイナーに依存することなく、自分たちで独自のデザインを作成することができるようになります。
社内告知、研修資料、ロゴ、チラシ、パンフレット、ウェブサイト用グラフィックなど、デザインが関係する社内のあらゆるものに活用できます。 - コストと納期の削減
フリーランスのデザイナーや代理店に依頼せずとも済むようになります。これにより、外注コストと制作に要するリードタイムが削減できます。 - 創意工夫の促進
最小限の労力で様々なデザインスタイルやコンテンツアイデアを迅速に表現し、いろいろなデザインを試すことができます。
そのため、自分たちのイメージに沿ったデザインができるまで、何度でも試行錯誤することができます。 - AIによるデザイン作成
AIがプロンプトから複数のデザインオプションを迅速に生成する能力は、デザイン・コンテンツ制作の常識を覆します。
7.注意事項
Canvaがもたらすデザインの民主化は非常に強力ですが、誰もがデザインを作成できるようになる分、作成されるデザインは個々人のデザイン感に立脚したものになります。
そのため、管理されなければコーポレートイメージの毀損、ブランドイメージの希薄化という潜在的リスクを伴います。
リスクの顕在化を未然防止するために、企業はブランドガイドラインを導入し、ユーザーにブランドガイドラインを周知し遵守させる等の対策が必要でしょう。場合によっては、ブランド管理などの何らかの監視体制の構築が必要かもしれません。このように、完全に自由な表現(デザイン)を許してしまうリスクにも目を配るべきです
Canvaがもたらす恩恵は、コーポレートイメージやブランドイメージとバランスが取られてこそ享受できるのではないでしょうか。
8.まとめ
Canvaは、AI機能を活用しなくても、デザインの民主化をさらに推し進める画期的なツールです。
個人でのSNS投稿から、企業のマーケティング資料作成、教育現場での教材作りまで、あらゆるシーンでクリエイティブな作業を力強くサポートしてくれます。まずは無料プランから、その手軽さとパワフルな機能を体験してみてください!